本当は怖い...コンパートメント症候群
四肢の骨折や圧挫(長い間つぶされて壊れること)などで
閉鎖腔に血液や滲出液(血管から漏れ出た液体)が貯留することにより、
循環障害や神経障害を起こす病態をコンパートメント/筋区画症候群と言います。
四肢の筋肉は屈筋or伸筋群でまとめられ、それらは筋膜によって区切られています。
そのため区画の内圧が上がることがあるのですね!
軽い骨折だと救急外来で診断されて家に帰ってから区画内圧が上がり、
放っておいたらコンパートメント症候群になってしまう。。。ということも
S)その臨床所見を「5P」で表すことができます
Pain 疼痛
Paleness 蒼白
Paresthesia 感覚異常
Paralysis 麻痺
Pulselessness 脈拍消失
コンパートメント症候群になっていなくても予兆というのがあります!
今日診た症例だと、骨折が疑われる部位の末梢側にいくつかの内出血が。
静脈が破れて皮下に血液が漏れ出ていることが予想されます。
E)確定診断は区画内圧>30mmHg(通常は10mmHg程度)
Stryker(intra-compartmental pressure monitor system)
T)区画内圧が30mmHgを超えたら減張切開
筋膜切開/fasciotomy;圧挫や骨折の場合
焼痂切開/escharotomy;熱傷の場合