Intensivist 〜doctoryoの雑多なブログ〜

とある救急/集中治療医のブログ。

脱水の病態を掘り下げてみます^^

しばらくブログが途絶えていましたが、

現在は大学病院高度救急救命センターで実習中です。

そこで初期対応と入院管理を見学していると、

「水・電解質異常」が全然わからない・・・m(_ _)m

(←先生に質問されてもほとんどよくわからない)

とりあえず脱水から勉強しようかな。

 

1)低張性脱水(Na喪失型)

→細胞外液中の電解質濃度&血漿浸透圧低下により、

 細胞外から細胞内への水移動が起きる。

 〈原因〉

 ・嘔吐、下痢

 ・吸引による消化液の消失

 ・腎臓のNa保持機構の障害(食塩損失性腎炎、Addison病)

 ・血管外への体液の移行

※細胞外液減少によって見られる症状はNa喪失型の低張性脱水の方が強く現れやすい。

→皮膚turgor↓、HR↑、起立性低血圧、循環不全・ショック、Hct↑、尿量減少

※脳浮腫による悪心・嘔吐、頭痛も見られる。

※体温;循環不全→体温低下

 

2)高張性脱水(水欠乏型)

 →発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などによる濃縮状態

→細胞内液から細胞外液への水移行

〈原因〉

 ・不感蒸泄の増加

 ・水分摂取の極端な低下

 ・口渇中枢の障害

 ・尿崩症(ADH↓により水が尿中にだだ漏れ)

※細胞脱水の症状は高張性脱水の方が現れやすい。

→意識障害、口渇感、粘膜乾燥、深部腱反射減弱

※体温;痙攣や発熱中枢異常(セットポイント異常)→上昇

 

3)等張性脱水(混合型)

→熱傷や出血などによる直接的損失による脱水

 

 まずはこの分類を再確認しました!