Intensivist 〜doctoryoの雑多なブログ〜

とある救急/集中治療医のブログ。

本当は怖い...コンパートメント症候群

f:id:doctoryo:20160229222432j:plain

四肢の骨折や圧挫(長い間つぶされて壊れること)などで

閉鎖腔に血液や滲出液(血管から漏れ出た液体)が貯留することにより、

循環障害や神経障害を起こす病態をコンパートメント/筋区画症候群と言います。

四肢の筋肉は屈筋or伸筋群でまとめられ、それらは筋膜によって区切られています。

そのため区画の内圧が上がることがあるのですね!

軽い骨折だと救急外来で診断されて家に帰ってから区画内圧が上がり、

放っておいたらコンパートメント症候群になってしまう。。。ということも

 

S)その臨床所見を「5P」で表すことができます

Pain 疼痛

Paleness 蒼白

Paresthesia 感覚異常

Paralysis 麻痺

Pulselessness 脈拍消失

コンパートメント症候群になっていなくても予兆というのがあります!

今日診た症例だと、骨折が疑われる部位の末梢側にいくつかの内出血が。

静脈が破れて皮下に血液が漏れ出ていることが予想されます。

 

E)確定診断は区画内圧>30mmHg(通常は10mmHg程度)

Stryker(intra-compartmental pressure monitor system)

 

T)区画内圧が30mmHgを超えたら減張切開

筋膜切開/fasciotomy;圧挫や骨折の場合

焼痂切開/escharotomy;熱傷の場合

 

新専門医制度がぼんやりしている・・・

f:id:doctoryo:20160227182218j:plain

今まで各学会が独自に認定してきた「専門医」

2017年4月からは日本専門医機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)という厚生省と独立した組織が統一して評価認定する「新専門医」の研修が始まります。

これで海外の専門医と同レベルのQualityをもつことが出来るというのが一応の売りですけど。。。

 

2/18に行われた社会保障審議会医療部会(厚生省の審議会の1つ)で新専門医についての話し合いがあり、日本専門医機構側から新専門医制度の概要や今後のスケジュールの説明があったみたい。

①基幹施設と連携施設が「研修施設群」を構成し、

 各施設群が作成した「研修プログラム」に沿って研修を行う

②研修施設群を構成するため地域に「専門医制度地域連絡協議会」などの設置

③2017年4月の制度開始に向けて現在研修プログラムの申請を受け付けている

④今後研修プログラムの審査認定を行い、2016年6〜7月に公示予定

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t221/201602/545866.html

 

この基幹施設になるためにはある程度の症例数と指導医の存在が規定されているため、主には大学病院あるいは都市部の大病院ということになります。だから特に内科や一般外科は基本的には大学病院に所属をし、関連病院を数ヶ月毎に回るといった形になるのかもしれません。(詳しいことはまた書きますね!)

 

とりあえずの問題点は医療部会でこの「制度の延期」が議論されているということ。

あと1年というところまできて延期の話し合い、、、(もう募集を始めている診療科もあるというのに)

何事にも延期はつきものということでしょうか。